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『若妻・恐怖の体験学習』(1972) [DVDレビュー]

若妻・恐怖の体験学習≪初DVD化≫【ユニバーサル・セレクション1500円キャンペーン/2009年第5弾:初回生産限定】 久しぶりに品揃えのいいレンタル屋さんに行って発見しました。しかしなんて邦題だ。原題は"Fear in the  Night"なのに…。(笑)

これは、カッシングの旧作を漁りまくっていたときには(当然ながら)近所のレンタル店になく、セル商品は見かけたんですけど、あんまりなタイトルなので(笑)レジに持っていく気になれなかったものです。カッシングの出番は10分程度とも聞いてましたし。出演シーンはYoutubeとかでちらちら見てましたが、全体がこういう話だとは知りませんでした。

お話は…ノイローゼで入院経験のある女性が、全寮制男子学校の教師と結婚し、学校の敷地内の家に引っ越してくるのですが、引っ越す前から「片手が義手の謎の男」に背後から首を絞められる体験をしています。それがここでも起き、周りに訴えても病歴のため妄想だと本気にしてもらえず、さらに襲撃がかさなって精神的に追いつめられ…さて真実は一体?というもの。タイトルから想像するほどひどい映画ではありませんでした。(笑)若妻は内向的なゴールディー・ホーン(?)という感じのすごくかわいい女優さんですが、首を絞められるだけでサービスシーンに当たるようなものはまったくありません。逆にタイトルから期待して借りた人は怒るんじゃないでしょうか。(笑)

カッシングは学校の校長役でした。マイケル・カーマイケルというへんな名前。(笑)でもチョビ髭がDr.Whoのときをホーフツとさせる、礼儀正しい老紳士風でステキでした。メガネに黒のケープ姿が似合っていて、まるで絵に描いたような…というか、実際映画の中にその姿の肖像画が出てくるのですが、すごくそっくりでした。思わずほしくなりました…。(これも私見でのルックス最盛期・1972年作品なんですよね…クラクラきます(笑))

なかなか不気味なキャラでもあり、じつは切ない設定もあり(ネタバレは避けますが、大食堂で食事するシーンとか、授業のシーンとか、一瞬ですがキュンときました)、最終的には重要な役でした。が、いかんせん出番が少ない!終盤もっと姿を見せてくれてもいい気がしますが…なにか撮影できない事情があったのかな、と思わせる撮り方です。あえて姿を見せないことの効果もたしかにありますが…(それにあんまり出ると「若妻」の存在感を食ってしまいますし(笑))

主人公の優しい旦那役がラルフ・ベイツという俳優さんなんですが、地味にハンサムでステキでした。どこかで見た顔だと思ったら、同じハマープロ作品の『ジキル博士とハイド嬢』でジキルをやってた方みたいです。これはまだ見てないんですが、ハマーのドキュメンタリーで断片だけ見ました。ジキルとハイドのバリエーションで、ハイドになるとき性転換してしまうというぶっ飛んだ映画です。これも今回行ったレンタル屋さんにはあったので、今度借りてみようかな、と思います。

(ハイド役の女優さんとは一見顔は似てないんですけど、顔のパーツの位置とかが一致しているらしく、画像がオーバーラップするシーンが違和感なかったです。それにやっぱりハンサムだし♪性転換じゃなくて性格だけが変わって、裕福な同性愛者の老人を籠絡しまくるなんてバージョンがあったら、購入して永久保存版にするんだけどなあ…(笑))

脚本・監督・プロデュースは、ハマープロのプロデューサーのジミー・サングスター。タイトルで覚悟しすぎたせいか、ちゃんとオチがある脚本で逆にびっくりしました。もう一人脚本担当としてクレジットされていたので、アイデアを口述する程度だったのかもと想像しますが?(スミマセン。プロデューサーという肩書きに偏見があるらしく…(^ ^;))

ハマー映画を見ると、わりとこういうことが多いです。ふつうの意味で傑作映画とは言いがたいけど、題材などから、見る前にある程度のレベルの低さを覚悟させるところがあって(笑)、見てみるとそのレベルはたいてい上回るので、「意外にちゃんとしてるじゃん!」と妙な好評価をしてしまう…まあ今の自分なら、カッシングさえ見られれば最初から五十点くらいは入っちゃいますけど…。(笑)


タグ:ハマー
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『赤い風車』(1952) [DVDレビュー]

ピーター・カッシングの初期の出演作で、タイトルだけ覚えていました。近所のレンタル屋に無く、ワンコインDVDにはなっていたのですが、ワンコインのほうの画質が酷評を受けていて、そのうえ脇役だし買うまでもないかな…と見逃していたもの。最近再入会した、品揃えのいいレンタル屋さんで見つけたので借りました。しかもワンコインではないバージョンのがあったので、良い画質で見ることができました。クリストファー・リーもちょい役ですが出ていました。

…まず、「赤い風車」ってなんのこっちゃと思ってたんですが、ムーラン・ルージュのことだったんですね。パリに実在するお店(なんていうんだろう…ウィキペディアでは「キャバレー」と書いてあるんですが、ニッポンジンの自分が想像するキャバレーとはまるで別物。(笑)お酒を飲みながら踊りを見たりするんですが、酒場じゃなくて劇場みたいな規模です)で、そこの常連だった画家・ロートレックの伝記映画でした。監督はジョン・フォード。ストーリーよりも、踊り子さんたちのメイクや衣装、全体の色使いなど、ロートレックの絵がそのまま動き出したような映像が見ものでした。しかしカンカンてあんなに嬌声をあげながら踊るものだったんですね。これまでに見た映画よりうるさかったです。(笑)

驚いたのが、主役のロートレックを演じていたのがホセ・ファーラーだったこと!最近立て続けに大作の悪役で見ていた人でした(『偉大な生涯の物語』のヘロデ・アンティパス、『アラビアのロレンス』のトルコの変態将軍(笑))
ロートレックのときは髭とめがねでほとんど顔がわかりませんが、二役でロートレックの父親役もやっていて、こちらだとよくわかりました。

カッシングは「誰もが憧れるような美男の金持ち」役。(笑)ロートレックとなんとなく両想いになるデザイナーの女性が出てくるんですが、その彼女にアプローチしている、ライバル的な位置のキャラクターです。ですが、別にロートレックを意識するでもなく、ロートレック自身がひねくれているために女性が離れていき、どっちかというと当てつけ的に結婚する相手です。本当は愛されていないのを承知のうえで結婚するという、恵まれた容姿のわりに傲慢さのかけらもない、殊勝な人でした。(笑)

出番は1シーンだけでほんのちょっとですが、競馬場でグレーの正装をしていて、ほんとに品のいい美男の紳士でした。(『マイ・フェア・レディー』でのジェレミー・ブレットが、やはり競馬場で同じような扮装をしていたのをちらりと思い出しました)巻き戻して数回見てしまいました。目の保養です。(笑)
よく聞き分けられないので確信はありませんが、フランス訛っぽい英語で話しているように感じました。(キャラはみんなフランス人の設定ですが、英語の映画ですから)

じつはそのシーンにいくまでに、「カッシング丈はどこに出てくるんだ」と目を皿のようにしていたので、「それっぽい人」を背景に二人ほど見つけていたのですが…ちゃんと役がついてるのにカメオ出演をするはずもないですね(笑)。自分の願望による見間違いだと思われます。

クリストファー・リーは、カフェにたむろしている芸術家仲間の一人をやってましたが、髭つきでオシャレ…というか、かっこよかったです!台詞もありましたし。

ニコール・キッドマンユアン・マクレガーが出ていた『ムーラン・ルージュ』でも、たしか強烈なルックスの、ムーラン・ルージュの支配人が出てきましたが、この映画に出てくる支配人も顔つきが似通っていて、オヤと思いました。実際ああいう感じの顔の人だったんでしょうか。
ただ、主役のロートレックは「あんまり似てない」と思いました。昔見た写真のイメージしかなくて、なんか「リンゴ・スターそっくり」と思った記憶があるのですが、そのイメージとはだいぶ違ったので…。(思い違いだったらすみません。>リンゴ・スター(^ ^;))

ロートレックは子供の頃のけがで足の成長が止まったため、上半身とはアンバランスに下半身が短く、その外見のコンプレックスや女性との軋轢、飲酒癖…と悲劇的な生涯に描かれています。こういう、よくある「芸術家破滅物語」は正直あまり好きじゃないんですが…(自分も下手ながら絵を描くことや創作することに足を突っ込んではいるので、「そういうことをする者は不幸になる」なんてイメージを、ステレオタイプとして刷り込みたくないんです)…死の床で昔のムーラン・ルージュの踊り子たちを幻想するあたりは、手もなく泣かされてしまいました。ああ、我ながらふがいない。(笑)

作中では、ロートレックが描いた有名なムーラン・ルージュのポスターに描かれている鷲鼻の男性が出てきました。みるからに特殊メイクなんですが、ほんとに「絵から抜け出てきたよう」に撮っていますね。やはりそのへんが売りだったようです。


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『残酷の沼』(1967) [DVDレビュー]

残酷の沼 [DVD]

(今回もリアルタイム記事です。というか、2010年の過去の記事はほぼ使い切ったので、それ以前まで遡るかどうか思案中です…でも、また来月あたりニューリリースがあったりするんですよね♪それはまた別の話…)

ピーター・カッシングのフィルモグラフィーにあった作品ですが、ご縁がなくて見られなかったもの。最近再入会したレンタル屋さんにあったので借りてきました。アミカス・プロダクション制作のオムニバス・ホラーです。監督はビジュアル重視のフレディ・フランシス。原作・脚本は『サイコ』ロバート・ブロックです。

アミカス・プロのオムニバス・ホラーは、昔テレビでよく放映されていたそうで、レビューとか拝見しているとそういう思い出話がよく出てくるのですが、自分はそういう思い出はありません。カッシングにはまり直してから漁っているクチですので、すべてDVDが初見です。でも、何本か見てみると、なんとなくアミカス作品の個性がわかってきますね。嫌いじゃないです。(笑)

今回の舞台は恐怖が売り物の見せ物小屋。オプションサービス(?)にお金を払った客たちが、自分自身が将来陥る…かもしれない、恐ろしい未来を見せつけられます。客ごとに一つのエピソードになっていて、計四本のエピソード。みんな超自然的落ちで、ホラーというより『世にも奇妙な物語』という感じ。仕方ないことですが、今の目で見ると正直怖さより苦笑が出ます。まあそれを言うのは野暮ですね。(^ ^;)

カッシング以外のキャストで私にわかるのは、見せ物小屋の案内人「ドクター・ディアブロ」役のバージェス・メレディス(私にとっては、『ラブリー・オールドメン』でのジャック・レモンのお父さんのイメージです(笑))客の一人をやったジャック・パランス(この方は『バグダッド・カフェ』の画家のイメージが頭に浮かびます)くらいでした。ピーター・カッシングはジャック・パランスのエピソードに出てくる、祖父の代から続くエドガー・アラン・ポー関連品収集家役でした。名優二人のお見事な競演。エピソードの冒頭をのぞくと、ほぼ二人芝居でした。

パランスのキャラは、カッシング演じる大コレクターと、エドガー・アラン・ポーのファンの集まりで知り合います。カッシングのコレクションに激しく惹かれるんですが…当然ながら売ってくれないんですね(笑)。このへんで一瞬、微妙な緊張感が生まれます。パランスの手から本を取り返すときの、カッシングのかすかな間の取り方…さすがにうまいですね。こういう細かいところが。

ジャック・パランスの粗野な容姿と、いかにもアメリカ人的(?)な…ストレートに売ってくれとか言ってしまうところ…すごく極端に言うと、「金でなんでも手に入れられる」と思ってそうな成金ぽい感じとか、コレクションに心を奪われてわかりやすく目をギラギラさせちゃう田舎モノっぽさと、それをちょっと見下しているような紳士然としたカッシングとの温度差…台詞でほのめかされるわけではないので、純粋に俳優さんの演技によるものですね。こんな話なのに(笑)贅沢です。

パランスはその後、カッシングの自宅を訪ねます。カッシングにどんどん酒を飲ませてコレクションを見せてもらい…(酔わせてどうするつもりぃ~?♪とか虚しい野次を飛ばすバカな腐女子がここに(笑))…ついには地下室にある秘密のコレクションを見せてもらうのですが…。

このオチはもう、今の目で見たら反則というか(笑)、「おいおい」って感じなんですが、ある意味究極のコレクションかもしれません。ラストのパランスのリアクションは、個人的にはちょっと理解しがたかったのですが…うーん、これは見る人によるでしょう。

映画全体のオチはちょっとひねりもあって、うまくまとまってます。パランスはちょっとおいしい役でした。カッシング鑑賞の点でも、感情の起伏の幅が大きく、年代的にも美しい(自分好みの(^ ^;))時期なので、わりと堪能できましたです♪
映画としても…これに限らずアミカス作品て、美術とかチープなんですけど、なんか手仕事特有の密度が画面に感じられて、イマドキの作品にはない魅力があります。

ただ、「残酷の沼」という邦題は謎。「沼」はどこにも出てきませんでした。言葉としても、映像としても。原題は"Torture Garden"。直訳すると拷問の庭、ですよね。これは心理的拷問という意味で文字通りなんですが…どこから沼がきちゃったんだろう?謎です…。


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『The Mummy』(1959) [DVDレビュー]

(以前ちらりと触れておりますが、DVDを初見したときの感想を掘り起こして載せます)

 ピーター・カッシングクリストファー・リー共演の『The Mummy』、邦題は『ミイラの幽霊』ですが、国内盤が出てなくて字幕なしでのレビューなので、原題で書いておきます。
画面に集中したくて英語字幕も消して見たので、わかったのはだいたいのところですが…単純なお話なので助かりました(笑)。

19世紀末、イギリス人の考古学者がエジプトで王女のミイラを発掘。そのミイラを守るために隠し部屋に入れられていた別のミイラが蘇り、発掘者を襲うというものです。ただし、じつはそのミイラは王女を密かに愛していた神官、という悲恋設定が…あれ、「エジプトの高貴な女性と神官の禁断の恋」で「ミイラがよみがえって人を襲う」って…『ハムナプトラ』って似たよーな話じゃなかったっけ…?と思ったのですが、ハムナプトラはテレビで断片的に見ただけなのでよくわからないです。もしかしたら元ネタかも?

カッシングの出演作品ハンドブック(?)として少し前に購入した『Christopher Lee and Peter Cushing and Horror Cinema: A Filmography of Their 22 Collaborationsをちらりと見てみたら、『The Mummy』自体が、1930年代にボリス・カーロフ主演で作られた映画のリメイクのようです。ハムナプトラとは「元ネタが同じ」なのかも。(違ってたらすみません)

キャストは、ミイラ発掘にかかわる考古学者役にピーター・カッシング。珍しく父親が出てくる役で、少しばかり若作り。ナカナカ素敵です。彼の父、叔父も考古学者らしく、冒頭そろってエジプトにいるのですが、カッシング演じるジョンは発掘時には足を怪我してテントで留守番していたため、現場に居合わせなかったという設定です。

そしてミイラと、回想シーンの神官がクリストファー・リー。ミイラのときは包帯ぐるぐる巻きで、動作と目だけの演技なんですが…目が語りますね。すごくよかったです♪なんか…ハンサムなんですよ、普段より。終盤の顔なんか、ライティングのせいか白塗りのときの市川染五郎似です(笑)。長い手足とプロポーションのよさも際立ってます。ちょっと惚れ直しました。

カッシングのリーとの格闘シーンは二回あって、両方ミイラに首を絞められてました。(笑)足の怪我の後遺症でびっこをひいている役で、いつものカッシングと身のこなしが違うのも見どころ。服装がスリムな体の線を引き立てていて、ヘルシング教授やフランケンシュタインみたいな強さはないキャラ。なにかと色っぽいです♪

お話は淡々と進む感じで、あまりインパクトを感じなかったのですが…たぶん『ハムナプトラ』を見ていなければ、ミイラの隠れた悲恋話に新味を感じたはずだと思います。悲恋設定がなければ、トホホ映画だった『半魚人の逆襲』と似たりよったりの展開…。でもこの設定の違いが決定的なのですけど!それと、エジプト人キャラに「イギリス人が外国の遺跡から持ち出したものを、大英博物館に飾ること」を批難させているのも、映画の胆力(?)を上げてました。
…まあそのへんとは無関係に、カッシングがすごく色っぽいのでお気に入りの一本になりました。えへへ♪(若い頃の姿でこうも萌えるのは、自分にとっては珍しいです(笑))

カッシングの奥さん役が、出番は少ないものの設定的に重要な役なのですが、とてもきれいな女優さんでした。初めて見た方です。柔和にしたエリザベス・テイラーという感じ。セットも、いつもながら雰囲気があってよかったです。(ハマー映画は低予算らしいものが多いのに、いつも美術がすばらしいですね!)ハマーのスタジオだったブレイスタジオにあるマナーハウス(イギリスの古風な邸宅)…ドキュメンタリーなどでさんざん見たのですが…その外観がもろに出てきたのが、なんか嬉しかったです。ほかの映画でも別の形でいろいろ使われています。

特典映像はオリジナル予告編とキャスト一覧のみでしたが、自分にはちょっと貴重な一本になりました。ああ、字幕ともっとマシな特典つきの国内盤出してほしいデス…。


タグ:ハマー
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