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生誕98周年と『フランケンシュタインの怒り』(1964) [DVDレビュー]

祝・ピーター・カッシング生誕98周年!
…今日はカッシング丈のお誕生日ですね。1913年5月26日生まれ…ということは、あと二年で百周年になるんですね。なんか今さらですが、「そんなに昔の人なんだ…」と感慨が。DVDで作品を見ているとまったく時間のズレを感じないので、不思議な感じがします。

思えば、個人的にカッシングに萌え返したきっかけは、二年前の5月末に『地球侵略戦争2150』のDVDを購入したことでした。なので、なんとなく自分の中では、5月の末頃というのはカッシング丈と縁がある季節(?)になっています。

その上今年は、まるでお誕生日に合わせるかのように、前日の25日に『フランケンシュタインの怒り』『吸血鬼ドラキュラの花嫁』がリリースされました。(予約していたのですが、発売前日の24日に到着しました♪)


で、まずは『フランケンシュタインの怒り』を拝見しました。本邦初ソフト化という、ハマープロのフランケンシリーズ三作目。『フランケンシュタインの復讐』と『フランケンシュタイン・死美人の復讐』の間になるんですね。

しかし…ストーリーは、男爵が自分の城のあるカールシュタットに戻り、以前に作ったクリーチャーが氷づけになっているのを発見するというもので、『フランケンシュタインの逆襲』(フランケンシリーズ一作目)とは違う過去が作られており、話がつながってはいませんでした。男爵の助手は『復讐』と同じハンスという人なんですが、キャラが違い、男爵と一緒に行動している理由も「自分でもわからない」なんて言ってます。(笑)『復讐』のハンスには、ちゃんと彼なりの動機がありましたもんね。

クリーチャーのデザインの著作権問題が解決して、ボリス・カーロフ版に近いデザインが使えるようになった…という事情はハマーのドキュメンタリーなんかで見ていたので、そのためにあえて別物にしているのかも…と思いました。だからこれは、ハマーのフランケンではありますが「パラレルワールドの男爵」みたいな感じです。

それはまあ、いいのですが…映画自体がうーん…。(^ ^;)これまで日本でソフト化されていなかったのも納得です。あれだけカッシング丈が出ているにも関わらず、途中で眠くなってしまいました。自分の寝不足のせいばかりではないと思います。なんというか、お芝居の見せ場がないというか、話にメリハリがないというか。さっきのハンスをはじめとして、キャラの行動の動機があいまいで、シーンによってちぐはぐな感じもあります。たしかハマーのドキュメンタりーで、監督のフレディ・フランシスがこの作品について、「撮影を終えたあと休暇で留守にして、帰ってきたらもう編集されていた」とか話していたような気がするんですが…そのへんの事情もあるのかも?

ただ、このDVDには特典として「テレビ放映版のみにあるシーン」がついています。これがなかなか興味深いです。というのは、作中に出てくる聾唖の女性が、少女時代にクリーチャーに出会っていたという過去が描かれているんです。クリーチャーと一般人との交流というシークエンスは、違う形ですがメアリー・シェリーの原作にあるので、そこからインスパイアされたアイデアなのかな、という感じもします。(そういえば『ミツバチのささやき』という、フランケンシュタインのクリーチャーと少女をモチーフにした映画がありましたよね。うろ覚えですが…。少女とクリーチャーって想像力を刺激する組み合わせなのかも?)

この部分は、本編のショッキングな場面をテレビ用に削除して、その尺を埋め合わせるため、あとからアメリカで別のキャスト・監督で撮ったということなんですが、これがあったほうがストーリーとしてはまとまりがいいし、女性キャラの存在理由もわかるので、本来の脚本はこういう話だったのでは?とさえ思います。(ホントにただの後付けだとしたら、このアイデア出した人すごい!ていうか、もともとの脚本がこういうアイデアなしだったとしたら、すごく残念賞です!)

でも、やっと『死美人の復讐』での男爵の手が不自由らしかったこと、黒手袋を外さなかったことの理由がわかりました。個人的にはこれで、カッシングのフランケンシュタイン男爵はすべて制覇したことにもなります。感慨無量です。


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